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再生に向けて富岡へ / 富岡の診療所

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福島県の富岡町には父が設計した住宅があります。
雑誌では『富岡の家』の名で発表(住宅建築2003年6月号)された大きな住宅です。
(以前はHPにも掲載していましたが リニューアルを機に掲載を見送りました)

父が亡くなった後のディテール誌の特集(ディテール 180号 2009年3月発行)で 撮影のために一度お伺いしました。
その後2年ほどして東日本大震災が発生。
建主の無事は確認され住宅にも被害がなかったと聞き 少なからずホッとしたことを覚えています。
しかし 帰還困難区域に指定され居住不可となり行き場のない憤りも感じました。

それから月日が流れ 建主から久しぶりに連絡がありました。
恥ずかしながら知りませんでしたが 2年前に帰還困難区域が解除されたそうです。
お会いして話をお聞きすると ご自宅の隣に建つ診療所(ハウスメーカーによる設計)を建て替えたいとのこと。
幸いにして被害は少なかったが 一部損傷した箇所があり建て替えたい。

帰還困難区域が解除されたとは言え 富岡町の人口はまだ元の1割強だそうです。

人が少ないので 以前ほど患者さんは多くないだろう。
しかし 人が少ないとはいえ診療所がないと困っている人は多い。
だから 私財を投入することになるが 戻って診療を再開する決意をしました。
今後は患者さんが少ないが 逆手にとって 緑が見えてゆったりリラックスできるような診療所をつくりたい。
人々の拠り所になるような「町の診療所」をつくりたい。
ただし 自分ももう年だし残された時間もそれほど多くはない。
遠方になりますが 設計をお願いできますか?

一も二もなくお受けしました。
そのようなお気持ちを預けていただき嬉しいです。
もちろん 父の設計した住宅の隣に建てられるのも嬉しい。

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先日は現地確認のために富岡へ。
久しく手入れをされていない緑は 伸び放題で荒れていました。
冒頭の写真は「富岡の家」の庭。
下草は除染のために撤去されましたが 木々は大きくなり混み合っています。
写真には写っていませんが 池では金魚が元気に泳いでいました。
上の写真は既存の診療所です。

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診療所の玄関には蔦が繁茂し月日を感じさせます。
内部は地震発生時のままでした。

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幸いにして当時の監督さんが健在で 住宅の方はこれから手直しが始まります。
私たちも頑張らねば!

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親緑住居ではムクゲの花が咲き始めています。
梅雨明けはまもなくでしょうか。

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